猫も杓子も記事を書く

140文字ではかけないことをかこうと思います。

ファーストクラスという魔物

あけましておめでとうございます。いろいろ記事を推敲しているうちに年が明けてしまいました。

この間友達と神戸旅行に行ったのですが、その帰り、伊丹空港から羽田へ帰る時に人生初のファーストクラスに乗りました。某社長のように100万円を配ることはできませんが、少々縁起のいい話でもということで、今回はその時の話をします。

なお、自分が乗った航空会社はJALなので諸々全てJALの仕様に準拠します。

 

そもそもどうしたらファーストクラスに乗れるのか

ファーストクラスのチケットを正規に手に入れる方法として真っ先に思い浮かぶのが

  • 予約時にファーストクラスを指定して買う

という方法です。

JALには特定回数以上搭乗orマイルをためていることを条件にした上級会員制度JGCがあるのですが、それを満たしていなくても(おそらく)すべてのJALマイレージバンク会員が空席さえあれば買えると思います。ろくに乗らない自分でも買えるので。変える時期(何ヶ月先まで予約できる等)とかが違うのかもしれません。

最大の問題点が値段です。東京→伊丹間の通常運賃で33kします。新幹線でも普通車で東京→新大阪を往復できるレベル、グリーン車と比較しても倍近くです。JALにはファーストクラスも対象になっている特便割引というのがあり、それを使うと大体10k程度安くなるようですが、便によって値幅があるのとおなじように特便割引も割引幅がピンきりだったりするので使いづらいです。

 

そこで登場するのが以下の選択肢です。自分が今回取った策もこちら。

  • 普通席(ないしJクラス)で抑えておいて、当日ファーストクラスにアップグレード

当日アップグレード - JAL

上記のように、フライト当日になっても空席がある場合は+8k(Jクラスは7k)でファーストクラスにアップグレードできます。

ただ、その費用と運賃を合算すると↑で書いた特便割引の額と大差ないケースもなくはない*1ので、貯めたマイルを使って航空券を買うとか、何かしらの出張等々で航空券代を払わなくていいとかそういう場面での贅沢として払うというやり方が有効打になってくるとおもいます。おそらくフライト路線に関わらずアップグレード料金は一律なので、航行距離が長くなればなるほどコスパがいいということになります。

考えなければならないのは「当日空いてなかった」というパターンです。路線や時間帯問わず予約状況によっては満席というケースも少なくなく、特に伊丹→羽田便はどの便も席が埋まりがちになります。高速バスや東海道新幹線も走っていて、なおかつ1時間毎に数百人乗れる飛行機をJALANAも就航させているにも関わらず、です。こりゃリニアもいるわ。なので、かなり運に左右される手段であることを念頭に置いて臨むべきだと思います。

 

当日

チェックインからのアップグレード

フライト時刻の約2時間前に空港についてそのままチェックイン機で確認。するとファーストクラスに残席がちょうど2人分ありまして、これはもう、アップグレードせよと神が告げているようなものだと思ったので速攻でアップグレードしました。8000円はクレジットカードで決済します。カウンターだったら現金でもいけるみたいです。

 

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保安検査

ロビーで買い物を済ませた後、いよいよ保安検査場へ。すでに伊丹空港の保安検査場レーンには行列ができていましたが、我々は並ぶ必要がありません。なぜならファーストクラス専用レーンがあるから。保安検査場の近くにあるにはあったのですが、目立たなすぎて見逃すかと思いました。

レーンでは自分で荷物をトレーに乗せるのではなくクルーの方に荷物を預けて乗せてもらいます。ゲートを通って完了・・・となるはずが、テンパっていたのか、コートのポケットに入った携帯電話を出し忘れてゲートが鳴り、さらに飲みかけのペットボトル飲料をカバンに入れっぱなしにしていたのを忘れ、申告していないと怒られました。ほんと初歩的なミスです。すまぬ・・・

 

ラウンジ

伊丹空港は現在、ラウンジを工事中で、ファーストクラスの客が入れるダイヤモンド・プレミアラウンジはサクララウンジに移管、玉突き的にサクララウンジにあたるリフレッシュラウンジを仮スペースで運用しています。

今回そのことを全く把握しておらず、リフレッシュラウンジに入ってしまったのでファーストクラスのラウンジサービスがどうなのか体感できずに終わってしまいました。まあラウンジ入ってやることなんて、伊丹空港で買った551の豚まん食べながらビール飲むぐらいなんで別にどこでもいいのですが、これは心残りなので、ラウンジ改装が終わった頃に再チャレンジしたいなと思います。なお、友人はJAL EST会員で5回までサクララウンジ利用サービスが受けられるそうなのですがそのカウントはされなかったそうです。

搭乗

搭乗時間の30分前ぐらいになったらラウンジを出て搭乗口に待機します。すでに優先搭乗レーンが形成されて並び始めているぐらいだったので自分たちもその列に並びます。並んでいる人は背広を着た年配のおじさんが大半で、自分みたいな安物のパーカーを着て並んでる20代男性はどこにもいませんでした。並々ならぬ場違い感を感じるとともに、自分が年老いたらこの人達を目標にしようという思いを強くしました。

使用機の到着遅れで搭乗も10分ほど後ろ倒しになりましたが、問題なくファーストクラス利用客として優先搭乗完了。

 

機内サービス(離陸まで)

搭乗してカバンやお土産、コートを棚に入れようとするとクルーがすっ飛んできてコートを預かってくれました。「ご案内遅くなって申し訳ありません」と謝られましたが、こっちからしたらそんなことしてくれるなんて知らなかったので逆にすみませんとなりました。

席は普通席とは比較にならないほどふかふかで席幅、シートピッチともに広く、さらにクッションやファーストクラス用の毛布もついています。リクライニングの角度は深く、さらにヘッドレストは可変式、足を伸ばせるフットレストに足置き場としてレッグレストもついています。勿論スリッパも完備しているのですが、自分の場合足の甲のサイズがかなり広く(4Eない靴は履けません・・・)、そのせいで足がスリッパに入らず、フライト中は泣く泣く裸足で過ごしました。

さらにヘッドホンはノイズキャンセリング機能がついています。滅菌して再利用しているのでしょうが、こだわりが凄まじいですね。

 

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着席してすぐ、クルーが「夕刊をなにかお読みになりますか?」と聞いてきました。離陸までの手持ち無沙汰な時間を減らせるようにとの心配りだと思うのですが、正直自分はこのときそんな余裕もなく、お断りしました。

ドアクローズの後、おしぼりが配られます。紙じゃなくてちゃんとタオルのやつです。

そしてここが一番びっくりしたのですが、クルーからメニューを見せられ食事の案内とドリンクのオーダーを聞かれました。しょ、食事? 

 

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東京伊丹間なんて、フライト時間は1時間もないような超短距離路線です。離着陸前後はクルーも安全態勢をとらなければいけないですから、実質的なサービス提供時間はたかだか30分あるかないかでしょう。なのに食事までサーブされるとは、さすがファーストクラス。サービスへの執念じみたものを感じます。

 

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ドリンクは通常の機内サービスで飲めるキウイジュースや日本茶だけでなく、ペリエやコーヒー、アルコール類も選べます。寒紅梅や森伊蔵など、日常生活でほとんど飲むことがないものばかりで惹かれましたが、自分は酒にそれほど強くなく、すでにラウンジで飲んだビールでほろ酔い気味だったので、ラ・フランスジュースをオーダーしました。

 

機内サービス(離陸~ごはん)

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離陸してすぐ、チーフパーサーから個別に挨拶。テーブルセッティングされ食事の準備が始まります。と言ってもシートの中からテーブルを出すだけですが。同時にファーストクラスとクラスJの間のカーテンが閉められ、ここが特別な空間であることを思い起こさせます。

食事はワンプレート。

 

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時間の都合上、温めていない状態で提供されると書いてあったのですが、パンはわずかながらきちんと温められていてこれまたすごいなと。味はめちゃくちゃ美味いというわけではありませんでしたが、味の濃さもボリュームもちょうどよく、過不足なく賞味できました。メインのポークは冷めてる状態にも関わらずナイフですっと切れて、噛んだ時に歯に詰まったりするような繊維質さもなく「ああ、ファーストクラスのお肉・・・」という感じで良かったです。あと、久しぶりに「前掛けエプロンの中に入っている銀食器」というのを見ました。筒状のエプロンを開くと銀食器たちが出てくるという、あれです。

個人的にあるとすれば、如何せん東京伊丹間は航行時間が短いので、急いで食べる必要があります。着陸態勢に入るまでにはプレートをさげ、テーブルをしまう必要があるので20分程度しか食べる時間がありません。堪能する前に終わってしまった感があってそこは心残りです。他路線だともう少し余裕を持って食べられるのではないかと思います。

ラ・フランスジュースはというと、ラ・フランス特有のもったりした甘さを残しつつ、ちゃんとさらっとしたジュースになっていて、美味でした。ラ・フランスのいいとこだけ抽出したみたいな感じです。もうちょっとスムージー的などろ液体を予想していたので甚だびっくりです。これが果汁100%の力・・・

食事中はクルーが適宜日本茶を持ってきてくれます。

機内サービス(~着陸・降機まで)

着陸直前にクルーからコートの返却があります。それを受け取った後は機内誌を読み、音楽を聴きながらまったり過ごしました。

着陸後、駐機場についてベルトサインが消えたら荷物を持って出る準備をして降機です。ファーストクラスは一番前なので、必然的に降りるのも最初になります。前の人を待たずにさっさとおりられるのはいいなあと思いました。

 

まとめ

庶民感覚からすると「人生で一度はやってみたい体験」の一つであろうファーストクラス体験が8000円上乗せしたらできる(かもしれない)という門戸の開かれように対し、どんな人間でも金さえ払えばVIPレベルの待遇を受けられるというステイタス感はとてもロマンに溢れていると思います。ガチャ感にあふれているところも運試しというかゲーム性があっていいですね。仮に満席でも元々その席に乗るはずだったのですから結果オーライという感じで。

飛行機で移動する機会がそれほどない方からすると年に一度のご褒美としてもいい体験だと思います。2019年に飛行機に乗る機会がある方は積極的に狙っていくのは如何でしょうか。

*1:つっても普通に買う以上に高くなることはないと思いますが・・・