猫も杓子も記事を書く

140文字ではかけないことをかこうと思います。

タドコロックの話とM-1の話

この週末は、土曜日に日帰りで大阪行って田所あずささんのLIVEを見て、日曜日は日がな一日スプラトゥーンやって、飽きてきた頃に欅のイベント回しつつM-1を見てました。飽きるのが遅かったので録画を追っかけ再生で、追いつく頃には終わって30分ぐらい経ってましたがちゃんと全部見ました。とろサーモンおめでとうございます。個人的にはあらびき団殆ど見たことなくて、笑わず嫌い王に出てたよなあというのが印象深いです。あれはいつだったか。

 

今回はこれらの感想を書きます。ネタバレ気をつけてね。

 

 

↑不用意なネタバレを回避する優しい気配り

 

 

 

 

12/02 AZUSA TADOKORO LIVE TOUR 2017~So What?~ @UMEDA CLUB QUATTRO

唐突ですが、コンテンツとの心理的な距離を縮めるのに必要なのは濁流のような感情とフィーリングと一寸の勇気です。では物理的な距離を縮めるのに必要なのは何でしょう?それは紛れもなく潤沢な金銭です。

学生の時はクソほど時間ばかりがあってぼくはそれをいかに金銭という果実にコンバートするかに情熱を注いでいました。フリーターのごとくバイトを入れまくり、貯金をこさえてはイベントやグッズのために切り崩すというクズそのものの生活でした。「学生のうちにしかできないことをやりなさい」などといろいろな人から言われましたが、そのたびに(うるせえそのためには先立つ金が必要だろうが)と抹殺し、また労働に没頭するのでした。お陰でもっと大きな負債を生み出すことになってしまいましたがそれはまた別の話。

社会人となった今、そんなことをする必要はありません。なぜなら自分の時間は一定縛られていてそれと引き換えにお給金が出ているからです。さらに現職は棒茄子もあり、また副業にも手を出し始め、収入にはかなり余裕ができました。だからモチベーションが維持されていさえすれば、大阪や名古屋、仙台への遠征も容易いことです。今回のタドコロックもその一環でした。

 

梅田の地下街を困惑しながら進んでたどり着いた今回の会場は人生初でしたが、とても良いところでした。10Fという建物の性質上、物販スペースはほとんどないなど空間の狭さを感じさせましたが、ロッカーも安い(200円!!)し、新幹線で新大阪から一駅、大阪駅から歩きという圧倒的アクセシビリティも大きいです。東京駅の周辺にあんなでかいライブハウスはないよ。

そして何より見やすい。オルスタ用途のライブハウスはあまり高低差をつけた作りになっていないところも多いと思いますが、ここはアリーナ・スタンドのごとく明確なウォールがあってスタンドの後ろの方でも見やすい作りになっていて良かったです。

客電が落ちて開始のBGMが流れると同時にモッシュが出来ていてそれがほぼ終わりまでずっと続いていてすごかった。あんなサークルが出来ている現場は声優現場で初めてみました。あとダイブもあったみたいですね。自分のいたところからは見えなかったけど。そのオーディエンスの熱量にも負けないころあずの歌唱力よ。ライブのたびにロック声優に一歩一歩近づいている感じが感慨深いです。ちなみにセットリストは純真alwaysを除いて全てアルバム楽曲のみで占められていました。

 ころあずのほっとけないMCも楽しかったです。どこに13-6のやり方で延々話せるアーティストがいるだろうか。他にも勝手に客のメガネをとったり、MCから曲に入る時にチラチラマニピュレーターの方を見たり、しまいには毎ライブ後にやっている定番のコールアンドレスポンスのセリフを忘れたりと今回も安定の無双っぷりでした。こういうギャップがたまらないんですよ。分かる人には分かるはず。

1点だけあるとしたら、やっぱり過去曲との化学反応ももっと見たかったなというのが正直な気持ちであり残念なところでした。個人的にライブの醍醐味はそこにあると思っていて、確かに今作は(作曲陣の厚さも有り)押並べてライブ映えする曲が多いのですが、前作「It's my CUE.」も負けず劣らずいい曲が多いし、そのアルバムライブが1年ちょい前だったので、その時からどうパワーアップしたかを見てみたいというのもあったし、何より純真から入った新参としては「Beyond Myself!」の楽曲なんてほとんど生で聴いたことないので、いっぺんやってくれー、Hello My Revolutionだけでもーと常々おもっています。まあシンセやストリングスにはそれの良さがあるんだけど、生バンドに合わせてロックアレンジされたものは最高に昇華するんですよ。そこは次に期待ですね。

12/03 M-1グランプリ2017 @自宅テレビ

今年初めて、ちゃんとM-1を頭からケツまで見たかもしれません(でもCMとかくだらんやりとりとかはカットしたよ。録画だから。☆野源許さないからな)。その上で思ったのは、やはりM-1はすごいなと。審査員の数変えたり、笑神籤で順番を決めるとか、賛否はともあれ毎年新しい試みを取り入れようとするその意欲は買いたい。見てる方としては予測不可能な方が、変化があったほうが楽しい。演者からすれば堪ったものではないだろうけど(或いは渾身のネタをこういうド素人の自己満足オナニーのために食い物にされるという意味でも)。

とはいえ進行のグダグダ感、段取りの不手際感がああも伝わってくると見ててストレスフルなのでスタッフ各位におかれましてはたっぷり反省してほしいと思います。それとも毎年こうなの?ともあれ今田さんと上戸さんはよくがんばりました。

 

※↓ここからは気になったところを幾つか。素人の感想です。

 

ゆにばーす

とにかく順番が不運でした。やはり1番目はとても採点が難しいと思う。相対値ではなく絶対値で評価しないといけない。採点後の川瀬名人の「お客さんが盛り上がるからですよ!」は採点コメントに対する本音もあったでしょうが、よくうまく笑いに昇華したとおもいます。ネタの印象点でだいぶ大きなインパクトはあったので、来年も見たいコンビの1つです。あとはやはり、翼の折れたエンジェルを選ぶあたりの強さ。

マヂカルラブリー

面白かったけど、奇天烈に走る野田クリスタルさんに対して常識人の立場からツッコむ村上さんという立場の違いが、なんというかこう、みんなで一緒に野田クリスタルっていう珍獣(言葉選んでません。ごめんなさい)をガラスの向こうから見ている感じなんですよね。だからなんともあの世界観に没入できない。漫才後のコメントは大物感あってよかったです。でも最後に脱いだのは全く意味がわからなかった。

 

和牛

昨年同様、ネタの作りはとても緻密で、後半の怒涛の伏線拾い芸は圧巻でした。技術点だけで見たらナンバーワンだったとおもいます。ただこれは完全に生理的な問題なのですが、川西さんのあのツッコミの声がどうしても、どうしてもすきになれない。あとなんか全体的に嫌味っぽいやりとりが多くて、それもなんかうーんという感じ。

先述したようにネタのクオリティに関しては異論の余地ないので、決勝ラウンド審査してるときは(好きじゃないけどまあネタの質考えたら優勝は和牛かな)と思ってたら、違いました。びっくりした。

 

ジャルジャル

一番驚かされた漫才でした。普段からテレビ等のメディアによく出演しているという意味で、今回のファイナリストの中では最も知名度のあるコンビだったと思います。その中でテンプレート的な漫才から外して、新しいテイストのネタで勝負しに行く姿勢がすごいなと。あと、あれだけ「量」の多いネタ、どこか少しでもとちったら終了という中、M-1でほぼ完璧にやり遂げたというお笑い芸人としての凄みも感じました。だからこその採点結果を見たあとの福徳さんの落ち込み方なんでしょう。

 

ミキ

いちばん好きだった漫才です。ボケとツッコミ両輪でアクセルふかしてスピード漫才、さらに時折見せる息の合わせ方、オールドファッションな関西漫才という感じで勢いを感じました。

 

スーパーマラドーナ

今更ですが、2016年のM-1王者は個人的に彼らだと思っていました。それぐらいネタとしては好みです。最初に撒いた伏線を予想外の切り口からさらっと拾うというスタイルは変わっていなかったのでそれをワクワクしながら見ていたらツッコミ武智さんの「蟹やからや!」にやられて忘れてしまいました。

 

かまいたち

キングオブコントの優勝ネタ、やっぱり面白かったので漫才でもぶち抜いていくかなと思った。その分のハードルあげすぎた感は間違いなくあったと思います。でも普通に面白かったし、2本見れないのが残念でした。敗退が決まった時にキングオブコント優勝者という肩書を全面に出して吠えるところも最高に良かった。

 

カミナリ

テレビなどに出まくってて売れたな~という感じがします。わかりやすいし。もう既にスタイルとして定着している分、前回からあまり変わらないなというところが辛く見られたのかもしれない。ツッコミの切れ味や角度はさすがでした。

 

とろサーモン

金正恩日馬富士、車事故の件はスーパーマラドーナの件でしょうか、そういう毒をさらっと混ぜてくるネタが好きだったので楽しく見れました。予選ラウンドの猿、決勝ラウンドの芋神様と、結構あたりの強いボケ暴走が受けていたのは意外でしたが。

 

さや香

勢い漫才という感じでした。ボケ側は常識人なのかなーと思ったら顔と身体を使って全力でぼけてきて、そのギャップにやられました。あと自分がオタクという身分なので、なかなかオーイングやコールに親和性を感じるネタでした。ルックスも芸人としては比較的よいと思うのでえみちゃんねるのあともテレビ受けするんじゃないでしょうか。もうすこし、跳ねるネタとか、喋り芸があれば。

 

所感

大団円の中、上沼恵美子さんや渡辺正行さんら審査員が涙を流しているのがけっこう印象的で、それだけどれも苦慮して選んだ結果であり、決勝ラウンドに進んだ3組がみんなレベルが高かったという証左でもあると思います。「2番目は誰にも覚えてもらえない」ということがよく言われますが、自分の一票でその運命を歪める重圧たるや筆舌に尽くしがたい物があると思います。それはあの場に座っていた7人以外にはわからないことです。

あと個人的に安心したのは、百戦錬磨で酸いも甘いも噛み分けたレジェンドクラスのお笑い芸人であっても、最終的に判断基準は「好み」だったということです。技術もネタ構成も拮抗している中、松本人志さんだったか、「ここまで来たらもう好みですよね」みたいなことを言っていらっしゃったのは言葉の額面以上に自分にとって嬉しいことでした。なんとなくですが、来年も楽しくM-1お笑い番組を見れるであろうという後押しにもなりました。