現職にうつって数ヶ月が経ちます。
そろそろ新しい水になれて、受け持つ開発タスクも増え、最初の一にも二にも勉強とキャッチアップ、だった頃を考えると「ああエンジニアやってんなー」という実感を遥かに多く得られます。
新しいプロジェクトにアサインするとこればかりは仕方ないのですが、コードを書いているあいだ、試行錯誤しているあいだが(今まで経験してきた業務の中で)一番充足感を得られる瞬間でもあり、楽しいです。*1
全てはこの発声から始まった
そんな自分に、ある日、上長がつかつかとやってきて、こう言ってのけました。
「3月で退職する○○さんの送別会の幹事、お願いできる?」
きた。「飲み会幹事」とかいう世界一ク○な(主観)タスク!!!
なぜ○ソなのかという自己弁護をしますと、
- 自分が研鑽しないといけないスキルと、幹事を務めることで得られるスキルが九分九厘噛み合ってない
- ただでさえ会社の飲み会に行きたくないのにましてや主催など
- ただただ面倒くさい
要は「幹事をやることで得られる旨味がない」と思っている。ということです。
ただ、サークルの飲み会で一気飲みをお願いするかわいい後輩の女の子のそれと一緒で、上司の命令は勅令に等しいので、とりあえず、やらねばならない。そこには慈悲はない。というそれだけのことなのです。
そして先週末、なんとか会を催行し、無事終えることができました。まあ、個々の満足度を上げるよりも、会を無事にやりきるという方が重要だったので、そのへんはちゃんとできたかなと思っています。
今回幹事をやってみて、いろいろ分かったことがあるので、書いていきます。
色々書きますが、結論を先に言うと、「現代社会はもっと幹事に優しく・寛容であるべき」ということだけです。それだけを強く言いたい。
金銭問題には素早くデリケートに、かつ恩赦の気持ちを持って
会費の徴収、というか人からお金を巻き上げるのが苦手です。自分自身がお金の問題に対してセンシティブなお気持ちを持っているので、なかなか上司の机をひとつひとつ回りながらお伺いを立てつつ徴収するのは重荷でもあります。
単純に計算してみるとわかりますが、20人規模で3500円のコースを予約した場合、70000円のお金の動きが発生します。プラス、贈呈する花束代やプレゼント代や、回収できない主賓分の飲み会代・・・外部の出費は他にもあります。
幹事を務めるのは新入社員や入社したばかりの若手社員が任命されることが多い。ニアリーイコール、所得や蓄えをそれほど多く持たない人たちです。
債権回収が当日までに未達となった瞬間、どうなるか。(少なくとも幹事当事者にとっては)軽視できないレベルの赤字が発生しかねません。クレジットカードで急場を凌ぐこともできますが、現金で払えというお店も少なくありません。
月末に開けば給料日後だからプールがある、とかそういう問題でもありません。なぜなら幹事には自分の生活があって、その支出の引き落としの多くが給料日直後*2に控えているからです。
宵越しの銭は持たない的なアレではありませんが、幹事に何万も建て替えられるような余裕は多くないと思います。だから、幹事が「払ってください」と言ったら、真っ先に払ってあげてください。
幹事はお金の管理は自分のお金以上に慎重にすべきです。机の引き出しにしまっておくなどルーズな扱いをせず、幹事しか触れない場所を予め決めておき、貰ったらこまめにそこに突っ込むように心がけると良いと思います。また、簡易的なExcelレベルでいいので収支や集金状況を取りまとめておくと安心感があります。自分からも周りからも、両方の意味で。
あと、これはマナーとか価値観的なことだと思うのですが、主賓に会費の話を持ち出すのは止めたほうがいいと思います。*3面倒ですが、なるべく主賓のいない場所でしましょう。
勿論値段設定は少々強気ぐらいでいいと思います。ここから花束とか諸経費を捻出しなければ行けない場合もあるし、なにより赤字補填なんてしてたら幹事なんて何もいいことないからね。役職が上の人間からどんどん巻き上げちゃってください。
参考までに、今回の飲み会の値段設定を書き残しておきます。コース自体は一人3500円(幹事無料)の飲み放題コースです。
- 一般社員: ¥4,000
- チームリーダー: ¥6,000
- 課長: ¥7,000
- 部長: ¥8,000
- 取締役: ¥10,000
日程調整のレスポンスは瞬速で
弊社、仕事関係(打ち合わせとか)にかぎらず、社内の飲み会もOutlookの会議通知を使って一括管理しています。あれやこれや使うよりよっぽどいいなとは思うのですが。
その際、人数確認をするために、Outlookの会議通知を使って出欠をとります。当然返信をお願いすることになるのですが、その返信が異常に遅い人が時折いるのです。
これは別に文句でも愚痴でもないのでいいのですが、今回、告知〜当日までなんの返信もないので、来ないもんだと思っていたらしれっと店にいて席に座っていた、という人がいました。
おそらくですが、9割以上の飲食店で飲み会をするなら、事前に人数を確定させないといけないと思うので、いつまでたってもレスポンスが来ない方の分は必然的に不参加としてみなすしかありません。お店に伝えていた人数ともズレが生じるので、こういうのは当日キャンセル以上にギルティな行為です。
表ではニコニコ笑っていましたが心のなかではブチ○すぞと呪詛をかけていました(冗談です)。まあちゃんと通常参加者より2割増しで徴収してやりましたけどね。ほほほ。
勿論、年度末でしたし、仕事やらなんやら忙しいのは痛いほどわかります。だからこそスケジュール調整優先度を各々が上げ、行けるかどうかわかった時点ですぐ返信するのが幹事にとっても参加者にとっても店にとってもハッピーです。優しい世界。
幹事も幹事でやはりしつこいくらいアナウンスを投げまくるのが最も古典的かつ効果的なのではないかなと思います。
また、開催日までは段階的にプランを立てて余裕をもった段取りを心がけたいところです。幹事をやると決まったら速攻で主賓のスケジュールを抑え、開催日が決まった時点で第一報を打ち、こまめにアップデートをしていきましょう。
以下は例です。主賓の日程が調整できた時点で開催日を決め打ち、後は逆算です。
- 開催日
- (人数確定日:開催日前日)
- (最大人数申告日:開催日の7日前)
- お店決定・告知:開催日の15日前
- 主賓(絶対に参加してくれないと困る人)の調整:開催日の21~25日前
お店とのやりとりは厳守しなければならないので、人数を確定する締め切りがある場合には前日までにレスポンスを集めきるのが理想的です。守らない人に対してはガンガンケツを蹴りましょう。
できることなら主賓には我儘を言ってほしい
幹事にとってお店選びはその会の成否を99%左右します。手練手管でお店通の幹事であれば、人数規模や会の趣旨など、様々な要素を勘案して最良の店をたちどころに見つけ出すでしょう。
しかし殆どの人間にそんなスキルはありませんので、そういう時はメインキャストの方に食べたい物や行ってみたい店などを聞いたりします。
この時、主賓はできるだけリクエストを告げてあげることが求められます。「どこでもいい」は幹事の首を締めることにしかならないため、何かしら我儘を告げてあげましょう。直感でもいいと思います。
手を抜けるところは手を抜く
職場の慣習とか過去の事例とか、そういう点によりけりな感じはしますが、楽できるところはスパッと楽して、必要以上の労力を背負わないようにするのも幹事として重要なのかなと思います。
自分の場合、例えば花束は完全に花屋に丸投げでした。花はおまかせ、予算と送別というシチュエーションだけ伝えて当日に取りに行くだけ。ズブの素人がうんうん悩んで考えたところで、結局はプロに頼んだほうが1000000倍早いしいいものができます。
色紙も取りまとめとかが一番面倒くさいので、調べてみると色紙に貼るメッセージシールとかがあるんだなとわかります。参加したことはあっても調べてみないと分からないですね、こういうのは。こちらも色紙そのものを回してもらうより遥かに楽です。
プレゼントも、百貨店に行って店員さんに予算を伝えて選んでもらいました。渡す相手のある程度の情報を伝えて、おすすめはどれかとか、どの色がよいかとか、聞きまくればいいと思います。相手もプロなので。
結局は「既成事実」を作れれば良い
色々書いてきましたが、幹事ははっきり言って大変です。これを仕事の合間や出退勤前後の時間を使って動かなければいけないというのが更に大変です。入社して間もない若手社員にとってはなおさらのことです。
そういうときこそ、「何のために送別会をするのか」を考えてみると、
- メンバーの大半が納得する形で
- 送り出す機会を設け
- 「送別した」という事実を作ること
なのではないかと。
会社の個々の社風とかにもよりますが、こう考えると大層な質は求められてなくて、ある程度楽しんでもらうことがなにより重要なのかなと思います。
まああとは、ある程度の規模になれば、幹事を過去に経験した方はどの会社にも探せばいらっしゃると思うので、困ったらSOSを出して助けを請いましょう。
経験者はノウハウの共有ができると幹事はだいぶ楽になるかな。なので困っている幹事がいたらぜひ助けてあげてください。0から1を生み出すのが1番辛いので。