猫も杓子も記事を書く

140文字ではかけないことをかこうと思います。

私にとって性欲とは(別題: アダルトビデオは選んでいるときが一番楽しい)

今回は性欲とかそういう話なので、生々しい単語というか、下の言葉が多くなります。そういうのを目にするのも口にするのも嫌だ、気分が悪くなる、という、セクシャルな要素をゴキ○リレベルのヒエラルキーとして扱っている知人がリアルにいますので、そういう方は読むのを止めたほうがいいですよ、と予め書いておきます。

 

私事ですが、先月から会社が変わりました。正確には、変えたというべきなのだろうけど。要は転職です。
前職と同じような業界なのだけれど、やってることは全く異なる。料理人で例えると、今までは洋食屋の見習いとしてオムライスに使うチキンライス用のお米を研いだりしていたのが、今の職場では中華料理屋の見習いとして人参やエビの皮むきをしている、みたいな感じ。規模感も雰囲気も、かなり違う。
だけど、一番違うのは、チームメンバーみんな優秀だということで、それはつまり自分がいちばん出来ないということだ。本当に馴染めるのか、本当に期待に背くことなく業務が遂行できるのか、そもそもなぜ採用されたのか・・・
仕事は楽しいけど、その間もそういう思考が常に頭のなかにちらついていて、精神的にこたえている。最近になってようやく余裕は出てきたような気がするけど。
仕事から家に帰ると、夜光虫のごとくベッドにふらふらと吸い寄せられていく自分に気がついて、知らず知らずのうちに気を張っていたのか、と驚く。
自分で下した決断なので、現状を這いつくばって受け入れるしかないとは思っている。それが自分のためでもあるし、前の会社への罪滅ぼしでもあるのだ。

 

 

本題。

まあ上述したようなことがあって、プライベートに時間をさく余裕があまりなくなっていました。別に多忙なわけでも帰りが遅いわけでもないので、単に馴染めていなくて、疲れているだけなのですが。

だから、というわけではないけれど、気がついたら最後に自慰行為をしてから1ヶ月経っていました。無意識下で射精した記憶も痕跡もない*1
別に意識的にオナ禁していたわけではありませんが、その間、所謂「ムラムラする」「オナニーしたくなる」ということが殆どなかったのは驚きでした。全く自分の生活に干渉することもなく、自分のことなのに自分が気が付かないほど、ごくごく自然にフェードアウトしていました。

ご存じの方もそうでない方もいらっしゃると思いますが、一般的に自慰行為を律することにより、様々な効果が得られると言われています*2
もともとそれほど数多くこなすタイプでもないですが、まあ確かに一時期より朝の寝覚めは良くなったり、ご飯が美味しく感じられるようになった。気がする。気がするだけです。

それでも、まだ精神的に老け込むような年齢でもないはずなのに、どうして性欲が、ふっと消えてしまったのだろう、と自分は考えていました。ムラムラして、そういう行為しか考えられなくなるというのは正常ではないのかもしれませんが、
思い立って、先日、久しぶりにアダルトビデオを借りました。およそ3ヶ月ぶりだったような気がします。
いつもお世話になっているTSUTAYAがAVの取扱を止めてしまったので、仕方なく渋谷TSUTAYAまで行って借りました。流石日本随一の旗艦店というだけあって、普段使っている近隣店舗が霞むレベルの品揃えだったので、予想以上に選定に時間がかかってしまいましたが、結果的に納得の選定ができたとその時は満足していました。

そして遂に、明日の事を心配しなくてもよい土曜日の深夜、決行しました。
ティッシュも準備した、万が一に備えてTENGAも買った、家族はみな外出・就寝しているから見つかる心配もない、何より1ヶ月ぶりだから精子も性感も良好(のはず)。考えうる限り最高の条件を構築することに成功した、ここに来て引き返すことは出来ないが、何も恐れることはない。
息を整え、DVDプレイヤーの再生ボタンを押します。プレイヤーからキュルキュルと回転音がなり始め、ディスプレイには海賊版撲滅の飛ばせないメッセージが流れる・・・

 

 

1時間位経ったでしょうか。
ティッシュに拭き取った子種を見ながら、思いました。

 

ーーー全く気持ちよくなかったなあ・・・・・・

 

何故なのかは分かりません。
心の準備は出来ていても、身体の準備ができていなかったのか。
それとも本格的に、性欲が自分自身から乖離し始めているのか。
やれやれと笑いながら、ぼくはアダルトビデオをレンタル袋に戻しました。

 

人間の三大欲求として食欲・性欲・睡眠欲が挙げられるのは有名ですが、性欲が1つだけ異質なのは、「なくても困らないもの」であるという点だと思います。人間が眠らなかったり、或いは飲食を絶ったりすると生命維持に関わりますが*3、セックスはしなくても生きていけます。性欲盛んな20代前半の男子の半数近くが童貞というのがその証左です。*4

 

更に、「強い」「弱い」が明確にあるのも性欲ならではです。「性欲が強い」とは一体何なのでしょうか。何度もセックスをしても満たされないというのは、どれほどご飯を食べてもお腹いっぱいにならないというのと心境として同義なのでしょうか。
それに性欲が満たされようと満たされまいと、セックスというのは非常に体力を使います*5。体力が0になるまでセックスに明け暮れる人が「性欲が強い」のでしょうか。うん、もうわけわかんなくなってきた。

 

・・・とまあ、あたかも性欲という存在そのものをdisるような発言をしてきましたが、当然のことながら、生存本能にもとづいて種を残し、繋いでいくためにはセックスをしないといけないわけで、そのためには性欲が必要なわけで。「なくても困らない」けど「ないと困る」んですよね。
生命の危機に瀕したとき、エレクション*6するという話もありますが、まあそういうのは生物上の人間の本能として備わっている筈で、必要に迫られたら湧き上がる性欲のままにセックスしたら良いと思いますが、そういうスタンスでいる以上はいざという時の引き出しがないという懸念がありますので、昨今見られるような、過剰なエロ要素の規制というのも逆効果なのでは?という気すらしてしまいますけどね。

*1:これを一般的に人は「夢精」という

*2:気になる方は「オナ禁 効果」などでぐぐってみてください。真偽の程は分かりませんけど

*3:絶食・断食・無食の類はありますが、この辺りは宗教などの考え方に基づく特別な条件下で行われるものと考えるべきであり、今までと同じ生活を遂行することと併存は基本的に出来ない、と思っています

*4: http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou2.pdf 

*5:内容にもよりますが、あくまで一般論として

*6:erection [ɪrékʃən]