いきなりですが。
最近流行ってますよね。キンプリ。
見たものを新境地へと誘うと噂のあの映画です。
「by PrettyRhythm」というワードの示す通り、このキンプリという作品は「プリティーリズム・オーロラドリーム」という作品のスピンオフになっています。
そのため、どれだけ流行っているといっても、「プリリズを知っていないと楽しめないのでは」という懸念が先行してしまうのは無理もないことです。自分も何回か友達に薦められましたが、そこだけが気がかりでなかなか観に行こうと思えませんでした。
それが今回、観に行くきっかけになったのは、単に会社の同期と新宿で飲み過ぎて終電を逃してしまい、一夜を明かす場所を調べていたら、たまたまキンプリがちょうどいい時間に新宿バルト9で上映するというのを知ったのと、その後にガルパンまで見ればちょうど始発に乗って帰れるというのを知ったからです。つまりは偶然です。
ちなみに、上映前のぼくのキンプリに対する予備知識はこのぐらいです。
つまりは皆無です。
キンプリ上映後
上映が終わって、シアターが明るくなった瞬間、同じように初見だったと思われる、後ろの男性が、けっこうなボリュームでこう言いました。
「え?」
その瞬間、コンカッションで買ったジンジャーエールを飲んでいたぼくはちょっと噴いてしまいました。気持ちがよくわかったからです。
上映が始まって、いきなりライブかと思ったら、オーバー・ザ・レインボーの3人がスケートシューズ履いて登場し「少○隊か!」と思ったのもつかの間、プロスケーターも真っ青の特大ジャンプを決めだし、おもむろに脱ぎだしたり、天蓋付きベッドから脳トロボイスで誘われたり、火の竜巻が上がったり、自転車で二人乗りしたり、とにかく展開が多い。
このライブを劇中ではプリズムショーというそうなのですが、その演出担当をされていらっしゃるのが、ラブライブ!の監督でお馴染み京極尚彦さんということで、3Dモデルと2Dアニメの使い分けとか、カメラワークとかがああ、ラ!で見たことあるなと思ってちょっとニヤリとしたり。
そんな冒頭のプリズムショーに魅了され、そのままオーバー・ザ・レインボーの属する劇団・エーデルローズに入ってしまった主人公、一条シンくんの目線で物語は展開していきます。
この一条シンくん、自転車を漕いでいるだけでキラキラエフェクトがでるほどのスター性を持ち、さらに感受性が豊かですごくチョロイン純粋。あまりの実直さにスクリーンを直視できないどころか謎の母性すら感じます。こ、この気持ちは一体・・・!?
さらにぼくが一番楽しみにしていた大和アレキサンダーこと武内俊輔くんの演技も見事でした。
プリズムショーの破壊者、暴君。
公式サイトにもたったこの一行しか紹介文のないアレキサンダーさん。
登場したのもつかの間、オバレのイナズマイレブンこと仁科カズキくんに対し、超オラオラ系のセリフを連発するアレキサンダーさん、明らかに肉体言語系ヤンキーやんけと思ったら、バトルと称して突然EZ DO DANCEを歌い出す。
avexつながりとはいえそんなんありかと思ったら、その武内くんがめっちゃ美声!歌唱力が高いのは知っていましたが、ファルセットボイスの破壊力の高さ・・・!まさに脳トロでした。
某時空でプロデューサーを演じ続けてきた武内くんが、形は少し違うけどついにアイドルになったんやな・・・と思って両作品ともそれほどしらないおじさんがちょっと感動していました。
ストーリーは進んで、映画のクライマックスとなるエーデルローズファン感謝祭、オバレの3人によるショー・・・ここはもう、作品を直接見てほしい。個人的にはここが一番のハイライトだったと思います。それぞれが胸に秘めた思いを歌やセリフに込めているのがすごくわかって、涙腺に来るものがありました。プリリズの本編を見ていたらもっとグッとくるところなのかもしれません。
そして謎の予告。
見終わったあとに調べて知ったのですが、やはりスタッフが作りたいところはその先があったようです。アレキサンダーさんちょっと踊っただけだからな。悪役・シュバルツローズが本格的にエーデルローズにちょっかいをかけたり、さらにポスターなどには度々登場する重要度高めっぽいポジションにいるのに、ほとんど本編中にセリフがなかった如月ルヰくんも本格的に作品に絡み出すようです。ある意味彼がいなかったらこの物語は始まっていないわけですしね。気になります。
終わった直後は、楽しかったのは間違いないけど、満たされているのか、からっぽなのか、よくわからん状態でした。ただただ腹筋が痛い。
たった1時間の中に、これだけの内容を詰め込んだら知らんやつ置いてけぼりにもなるわ、という、謎のボリューム感があります。公式やwikiなどにも書かれているとおりの分かりやすいストーリー展開であるにもかかわらず、です。だから最初の「え?」が、くるおしいほどわかるのです。
上の感想も見終わったあと、公式サイトやTwitter、動画などでいろいろ情報を補完しながら書いています。それを知ったうえで「よくわからなかったからもう一回見に行きたい」と思わせるだけの魔力がキンプリにはあると思います。よくわからなかったけど、決してそれが不快ではない、珍しい作品だなと思いました。ルヰくんなんて名前すら出てきてないよ!CV蒼井翔太くんなのに!
つまるところ「キンプリ」とはなんなのか
エンタメ電子ドラッグ。
そしてオタクはガルパンを目指す
半分放心状態でシアターを出る我々に休息は許されない。
キンプリの5分後に今度はガルパンが始まるからです。
睡魔との戦いをどこかに忘れたまま、ぼくは再度エスカレーターに乗り、ガルパンのスクリーンを目指すのでした。
長くなったのでガルパンの話はまた後日書きます。